テーマで選ぶ『文学』

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■ 相田みつを(詩人)

 □『生きていてよかった』より

   「うばい合うと 足らないけれど
    
わけ合うと あまっちゃうんだなあ

   「いいことは おかげさま

    
わるいことは 身から 出たさび

 □『いちずに一本道 いちずに一ッ事』より

   「どんな理屈をつけても 戦争はいやだな

    
肉親二人
    
わたしは戦争で失っているから

   「いのち 尊し

   「外灯というのは

    
人のために つけるんだよな
    
わたしはどれだけ
    
外灯を つけられるだろうか

   「あなたがそこに ただいるだけで

    
その場の空気が あかるくなる
    
あなたがそこに ただいるだけで
    
みんなのこころが やすらぐ
    
そんなあなたに わたしもなりたい

 □『にんげんだもの』より

   「アノネ

    
ひとのことじゃないんだよ
    
じぶんのことだよ

   「トマトにねぇ

    
いくら肥料をやったってさ
    
メロンにはならねんだなあ

   
アノネ
    
がんばんなくてもいいからさ
    
具体的に動くことだね

   「
七転八倒
     
つまづいたり
     
ころんだりするほうが
     
自然なんだな 人間だもの

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■ 芥川龍之介(作家)

 □『侏儒の言葉・西方の人』より

   「創作は常に冒険である。
    所詮は人力を尽した後、
    天命に委かせる(まかせる)より仕方はない


   「
文を作るのに欠くべからざるものは
    何よりも創作的情熱である


 □『蜘蛛の糸・杜子春』より

   「
いくら仙人になれたところが、
    私はあの地獄の森羅殿の前に、
    鞭を受けている父母を見ては、
    黙っている訳には行きません


   「 
『きゃぁん。きゃぁん。助けてくれえ!
      きゃぁん。きゃぁん。助けてくれえ!』
    この声は又 白の耳にはこう云う言葉にも
    聞こえるのです。
     『きゃぁん。きゃぁん。臆病ものになるな!
      きゃぁん。臆病ものになるな!』


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■ あまんきみこ(絵本作家)

 □『おかあさんの目』より

 
  「うつくしいものに出会ったら、
    いっしょうけんめい見つめなさい。
    見つめると、それが目ににじんで、
    ちゃあんと心にすみつくのよ。
    そうすると、いつだって
    目のまえに見えるようになるわ」


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■ 有島武郎(作家)

 □『小さき者へ』より

   「お前たちをどんなに深く愛したものが
    この世にいるか、或はいたかという事実は、
    永久にお前たちに必要なものだと
    私は思うのだ

   「私はお前たちを愛した。そして永遠に愛する


   「
お前たちの若々しい力は
    既に下り坂に向おうとする私などに
    煩わされていてはならない。
    斃れた親を喰い尽して力を貯える
    獅子の子のように、力強く勇ましく
    私を振り捨てて人生に乗り出して行くがいい


   「
産は女の出陣だ。
    いい子を生むか死ぬか、そのどっちかだ


   「
母上の愛は遺書にあるように
    お前たちを護らずにはいないだろう


   「
私の一生が如何に失敗であろうとも、
    又私が如何なる誘惑に打負けようとも、
    お前たちは私の足跡に不純な何者をも
    見出し得ないだけの事はする。
    きっとする。
    お前たちは私の斃れた所から
    新しく歩み出さねばならないのだ


   「
不幸なそして同時に幸福な
    お前たちの父と母との祝福を胸にしめて
    人の世の旅に登れ。
    前途は遠い。そして暗い。
    然し恐れてはならぬ。
    恐れない者の前に道は開ける。
     行け。勇んで。小さき者よ


   「
子を思う 親の心は日の光
    世より世を照る 大きさに似て


 □『生まれ出づる悩み』より

   「
それを君に勧めるものは君自身ばかりだ」

   「痛ましい陣痛の苦しみであるとは云え、
    それは君自身の苦しみ、
    君自身で癒されなければならぬ苦しみだ


   
君よ、春が来るのだ。
    冬の後には春が来るのだ


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■ 井狩春男(35年間、取次の窓口に勤務)

 □『この本は100万部売れる』より

   「ベストセラーをつくる上で
    大事なのは企画力ではない、
    企画を実際の行動に移す力だ


   「
ベストセラーを連発する編集者諸氏は、
    なぜ売れたか、の分析を徹底的にやります。
    そして、なぜ売れなかったか、
    を時間をかけて いじいじ考えない


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■ 池澤夏樹(作家)

 □『憲法なんて知らないよ』より

   「われわれ日本人は、国には戦争をする
    権利があるという考えを永遠に否定する。
    国の間の争いを武力による脅しや
    武力攻撃によって解決することは認めない。


   「
陸軍や海軍、空軍、その他の戦力を
    持つことはぜったいにしない。
    国というものには戦争をする権利はない。


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■ 大江健三郎(作家。ノーベル文学賞 受賞者)

 □『「自分の木」の下で』より

   「もう取り返しがつかないことを
    しなければならない、と思いつめたら、
    その時、『ある時間、待ってみる力』を
    ふるい起こすように!


   「
たとえ、問題がすっかり
    解決しなかったとしても、
    じっと考える時間を持ったということは、
    後で思い出すたびに意味があったことが
    わかります


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■ 銀色夏生(作家)

 □『詩集 小さな手紙』より

   「今日だけが とてもやさしくてあるように
    今日だけでも とてもやさしくあるように

    今日さえ克服できれば
    目の前には今日しかないから



   「
悲しみなさい あとでむかえにくるから
    行きなさい あとで抱きしめてあげるから

    まちがったとしても
    あとで すべてを聞いてあげるから


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■ 倉田百三(作家)

 □『出家とその弟子』より

 
  「私は自分を悪人と信じています

   「
私の肉は同じ仏子を食いますもの。
    
悪人でなくてなんでしょうか。

   「
私は善くなろうとする願いはどこまでも失いません。
    
その願いがかなわぬのは地上のさだめです。

   「
仏様は悪いと知って私たちを助けてくださるのだ。
    
悪人のための救いなのだ

   「
百の悪業に催されて罪を感じている悪人よりも、
    
小善根を積んでおのれの悪を認めぬ偽善者のほうが
    
仏の愛にはもれているのだ。

   「
人間の心にもし浄土のおもかげがあるならば、
    
それはまさしくゆるした時の心の相(すがた)であろう

   「
信じてだまされるのは、まことのものを疑うより
    
どれほどまさっているだろう。

   「
人の僕(しもべ)になれ。
    
人の足を洗ってやれ……くつのひもをむすんでやれ。

   「
おゝ平和! もっとも遠い、もっとも内の。

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■ サン=テグジュペリ(作家。『星の王子さま』の著者)

 □『星の王子さま』より

   「砂漠が美しいのは、
    どこかに井戸をかくしているからだよ……


   「
あんたが、あんたのバラの花を
    とてもたいせつに思ってるのはね、
    そのバラの花のために、ひまつぶししたからだよ


   「
心で見なくちゃ、
    ものごとはよく見えないってことさ。
    かんじんなことは、目に見えないんだよ


 □『サン=テグジュペリの言葉』より

   「
昨日流された血のゆえに 拳を振ってはならない

   「
手に入れたものによってと同様、
    失ったことを惜むもの、手に入れたいとのぞむもの、
    喪失を嘆くものによっても、
    導かれ、授乳され、成長させられる


   「
歩みだけが重要である。
    歩みこそ、持続するものであって、
    目的地ではないからである


   「
あるのはただ、前進してゆく力だけだ。
    その力を創造しなければならない。
    解決なぞ そのあとで見つかる


   「
明日の真理は昨日の過誤によって培われ、
    克服すべき矛盾背反は
    ぼくたちの成長の土壌にほかならない


   「
ひとは、過誤に過誤を重ねながら、
    火に通じる道を発見するのだ


   「
人間であるとは、まさに責任を持つことだ。
    自分には関係がないような悲惨をまえにして
    恥を知ることだ


   「
犠牲とは、おまえをなにものからも切断することなく、
    逆におまえを富ますものだ


   「
『われわれは服従すべきでしょうか、
     それとも戦うべきでしょうか?』
    生きながらえるためには服従すべきであり、
    存在しつづけるためには戦うべきである


   「
征服とは、おまえの内部に、おまえを通して、
    おまえ自身を築きあげることである


   「
人間は真理を発見するのではない。
    人間は真理を創造するのだ


   「
方法こそ異なっていても、目的は異ならない。
    目的はつねに同一である


   「
救いは一歩踏み出すことだ。さらにもう一歩。
    そして、たえずそのおなじ一歩を繰り返すことだ


   「
人間は固い水晶に穴を穿ちながら、
    ゆっくりとすすんでゆく


   「
みんなぼくを信頼してくれているのだ。
    もし歩かないとしたら、ぼくはならず者だ


   「
真の意味でぼくを豊かにしてくれたのは、
    ぼくが受け取ったものより
    多くのものを与えた場合だけだった
    ということを認めなければなりません


   「
労働の一部は身を養いますが、
    他の一部は人間を築きあげるのです


   「
彼を裁くまえに彼を理解しようと努めるべきである

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■ 重松清(作家。2001年、直木賞受賞)

 □『走って、負けて、愛されて。ハルウララ物語』より

   
弱くても一所懸命走っている姿に、
    ほんとうに勇気づけられるんです


   「
一所懸命走るんです。
    勝ちたくて、がんばってるんです


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■ 司馬遼太郎(作家)

 □『21世紀に生きる君たちへ』より

   「人間は、自然によって生かされてきた。
    古代でも中世でも自然こそ神々であるとした。
    このことは、少しも誤っていないのである。

   「人は助け合って生きているのである。

   「自然物としての人間は、決して
    孤立して生きられるようにはつくられていない。

   「人々にとって、志さえあれば、
    暗い箱の中でも世界を知ることができる。

  
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■ スティーブン・キング(作家)

 □『小説作法』より

   「作家を志すなら、
    何はともあれ、よく読みよく書くことである。
    そこで自分自身を教え込むことが
    何にもまして貴重な成果を生む


   「
取りかかった作品は、
    完成するまでペースを落とさずに書き続ける。
    毎日きちんと書かないと、
    頭の中で人物が張りをなくす


   「
何事であれ、自分に才能があるとなれば、
    人は指先に血が滲み、
    目の球が抜け落ちそうになるまで
    そのことにのめり込むはずである


   「
どこで何をしていようと、
    作家志望者にテレビはいらない


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■ 瀬戸内寂聴(尼僧。作家)

 □『残されている希望』より

   「戦争はいかなる名目をつけようと人殺しであり、悪である

   「戦争はすべて悪だと、たとえ殺されても言い続けます

   「私は自分の手で探り当て、
    自分の頭で考えて納得したことでないと信じない

 □『ひとりでも生きられる』より

   「男女の恋の決算書は あくまでフィフティ・フィフティ

   「恋を得たことのない人は不幸である。それにもまして
    恋を失ったことのない人はもっと不幸である。

   「愛とは現在にしかないものだ。

 □『愛の倫理』より

   「おしゃれの女は、掃除が下手と見て、だいたいまちがいない

   「妻は、やさしくされることを望んでいるだけではない。
    やさしい心で理解されることを望んでいる。

  
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■ タゴール(詩人。アジア最初のノーベル文学賞受賞者)

 □『タゴール詩集』より

   「すべての嬰児は
    神がまだ人間に絶望してはいない
    というメッセージをたずさえて生れて来る


   「
花はその花弁のすべてを失って
     果実を見いだす


   「
彼らは憎み、また殺す、
    そうして人々は彼らをたたえる。
    しかし神は赤面してその記憶を
    いそいで青草の下にかくす


   「
人間の歴史は
    虐げられた者の勝利を
    忍耐づよく待っている


   「
もし彼らが背を向けて、
    荒野を横ぎる時にお前を見捨てるとも
    おお、運のわるい男よ
    足の下に茨を踏みつけ、
    ひとりで血のしたたった道を旅して行け
    夜が嵐でどよめいている時
    もし彼らが光を高く掲げないとしても
    おお、運のわるい男よ
    苦悩の雷火でお前自身の胸に火を点じて
    それをただ一つ燃えさせるがいい


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■ 太宰治(作家)

 □『走れメロス』より

   「人の心を疑うのは、もっとも恥ずべき悪徳だ

   「
若い時から名誉を守れ

   「
走るのだ。信じられているから走るのだ。
    間に合う、間に合わぬは問題ではないのだ。
    人の命も問題ではないのだ。
    私は、なんだか、もっと恐ろしく
    大きいもののために走っているのだ


   「
信実とは、決して空虚な妄想ではなかった


 □『斜陽』より

   「
私は確信したい。
    人間は恋と革命のために生まれてきたのだ


   「
あさましくてもよい。私は生き残って、
    思うことをしとげるために世間と争っていこう


   「
私、花も葉も芽も、何もついていない、
    こんな枝がすき。これでも、
    ちゃんと生きているのでしょう。
    枯枝とちがいますわ


   「
この世の中に、戦争だの平和だの貿易だの
    組合だの政治だのがあるのは、なんのためか、
    このごろ私にもわかってきました。
    あなたは、ご存じないでしょう。
    だから、いつまでも不幸なのですわ。それはね、
    教えてあげますわ、女がよい子を生むためです


   「
私には、古い道徳を平気で無視して、
    よい子を得たという満足があるのでございます


   「
いまの世の中で、一ばん美しいのは犠牲者です

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■ 新見南吉(童話作家)

 □『てぶくろをかいに』より

   
おかあさんは、にんげんは
    おそろしいものだっておっしゃったが、
    ちっともおそろしくないや。
    だって、ぼくの手を見ても、
    どうもしなかったもの


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■ ノア・リュークマン(アメリカの著作権代理人)

 □『プロになるための文章術』より

   「偉大な作家など、おいそれといるものではない。
    いるのはただ推敲に長けた文章家ばかりである。
    よく言われる通り、文章の90パーセントまでは
    推敲にかかっている。

   「推敲に当たっては、単語一つ削れば百ドルの得と
    思うくらいの気構えがなくてはならない。

   「トーマス・マンは自殺した息子の葬儀にも出ずに
    書き続けた。

   「ジャン・ジュネは多年にわたる獄中で
    トイレットペーパーに書くしかなかった。

   「フォークナーは工場で働き、
    郵便局に勤めながら作品を書いた。

  
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■ 浜田広介(童話作家)

 □『ないた赤おに』より

   「わたしは、おにに生まれてきたが、
    おにどものためになるなら、
    できるだけよいことばかりしてみたい。
    いや、そのうえに、できることなら、
    人間たちのなかまになって、
    なかよくくらしていきたいな


   「
なにか、一つの、
    めぼしいことをやりとげるには、
    きっと、どこかでいたいおもいか、
    そんをしなくちゃならないさ。
    だれかが、ぎせいに、身がわりに、
    なるのでなくちゃ、できないさ


   「
ドコマデモ キミノ トモダチ
               アオオニ


 □『よぶこどり』より

   「やっぱり、これが、
    おかあさんにちがいない


   「
ああ、鳥になりたい

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■ 水上勉(直木賞作家)

 □『ブンナよ、木からおりてこい』より

   動物はみな弱いものをくって生きる以上、
    だれかの生まれかわりだ


   「
ぼくらのいのちは、
    大ぜいのいのちの一つだ・・・
    だから、だれでも尊いんだ


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