有島武郎の名言3(3月4日生まれ)


「お前たちの若々しい力は
 既に下り坂に向おうとする私などに
 煩わされていてはならない。
 斃れた親を喰い尽して力を貯える
 獅子の子のように、
 力強く勇ましく私を振り捨てて
 人生に乗り出して行くがいい」

   出典:『小さき者へ・生まれ出づる悩み』、
           有島武郎、新潮社、P25より


     現代の日本は、少子高齢社会です。
     子に面倒を見てもらうことが、
     親のテーマと言えるかもしれません。

     しかし、ここで引用した有島武郎の言葉は、
     自分自身を全く省みることのない、
     真の親の言葉だと、私は感じます。

     “烈々たる”という言葉がありますが、
     子への愛情がほとばしる『小さき者へ』以上に、
     この言葉にふさわしい文学作品を、
     私はほかに知りません。


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